建物の屋根を支える桁や梁。
地組とはこれらを現場で組建てる前に作業場や空地などで桁、梁などから上部を仮に組建てることを言います。
社寺建築で屋根(軒先)の納まりが特別複雑なものや、太鼓梁(丸太を使った真っ直ぐでない丸みのついた梁)を多様した建物の時に行うことがあります。
↑ 写真は以前の古民家の修理の際の地組の様子。
規模的に作業場内にギリギリ納まったので雨の心配もなく進められました。
梁などを組み込んだときの高さや間を確認しながらの作業になります。
こういった修理をすると本当に昔の人はすごいなと肌で感じることができます。
現代では高さや直線、直角を測るレーザーや木材の加工には電気道具も多様できます。(勿論、手道具もフル活用します)
ありきたりの感想ですが、こういった機器がない時代の建物本当にすごいです。
こういった建物を扱ったことがあるかないかによって、伝統建築っぼくない建物の作りにどう活かされているのか、という私共の考えをまた説明させて頂きます。
このところ各業務が立て込んでとてもバタバタとしています。
朝、業者さんと細かなところの打ち合わせを終え、
屋根を下りる時に周囲を見渡すと快晴でとても良い景色が。
バタバタしすぎていて、とても良い立地、景観の中、
仕事をしていることを忘れてしまっていました。
こんな時、やまあいの静かな場所はいいですね。
街中にはない味わいがあり、心が落ち着きます。
もうじき、紅葉も観れるかと思い、楽しみです。
本日は愛知県一宮市にてとても限られた勉強会。
今のところ非公開と言うことで写真などの掲載も控えさせて頂きます。
とにかく、とても勉強になりました。
せっかく愛知県一宮市に伺いましたので、
地元の方に聞いた伝統建築を帰りがけに見学。
600年以上前に開かれた禅宗の寺院。
明治の大火、大地震によって倒壊、損失し復元された伽藍です。
火事に地震、、、。
木造建築の課題は何百年たってもかわらないですね。
建物は損失しても資料が有れば形だけは復元できます。
(形だけは、です。)
ですが、人の命は復元できません。
現在はそれに加えて、熱環境、環境問題も。
建物の熱環境が健康、生命に大きく影響を及ぼすことが明らかになっている以上、これは建築の課題と言えると思います。
課題は山積みです。
本日は静岡高等技能学校(職業訓練校)。
ご一緒したベテラン大工さんの講師の方が生徒に教えていた事。
【木もと竹うら】
木は根元(元口)から、竹は先のほうから割るのが割りやすい。
ものごとにはやりやすい方法や順序がある。
・・・ということのようです。
この言葉自体は知りませんでしたが、
大工仕事を教わる中で自然と木と竹の割り方は学んでいて
実務では【木もと竹うら】をやっていました。
仕事の中だけでなく
最近は薪ストーブやワークショップなどで木や竹に触れる機会が
多くなったと思うので頭のどこかにしまっておくと役に立つかもしれませんね。
本質なところ・・・
”ものごとにはやりやすい方法や順序がある”
どんなことに対しても当てはまる言葉ですね。
とくに物つくりにおいてはとても重要なこと。
もちろん建築や家をつくることにおいても。
どんなことでも、やりやすい方法、適正な順序、優先順位を
大切に考えていきたいですね。
これを守ることによって色々なことが素直に進みます。
本日は皆で文化財修理の研修として浜松を訪れました。
まずは 秋葉山本宮 秋葉神社
まもなく修理工事が始まる 神門 を中心に見学。
数年前に新築された楼門もあり見どころ満載でした。
浜松市指定有形文化財である神門の工事は
NPO静岡伝統建築技術協会 (http://www.bansyoukai.com/)
の設計監理のもと令和5年3月末(予定)まで行われるとのことです。
今回は修理中の見学を念頭に入れ、修理前の様子を頭に焼き付けに来ました。
深く調査をせずにざっと見ただけでも修理に苦労するであろうことが覗えました。
古建築の修理はただ直すのではなく
何十年もの先や百何十年も前のことを考え、検討し進めていきます。
各建物ごとの歴史や状況、保存、活用を考え修理方針の主軸を踏まえながらの
修理となっていきます。
一つの部材の修理にもいくつもの選択肢がある状況も出てくるのでとても難しいです。
次に向かったのが
浜松市引佐にある龍潭寺
つい先日、修理工事の終わった 井伊家霊屋(静岡県指定文化財)
を中心に見学。
修理完了して間もない建物の見学も、とても勉強になります。
今回、北陸で文化財修理の設計監理の経験を持つ方も一緒に見学に
廻って頂いたので色々な視点からの考察も聞けました。
龍潭寺では伝統建築の分野だけでなく
庭、緑、中間領域、視線、借景・・・など
家つくりにも大変役に立ちそうな発見もあり収穫大でした。
今回の経験も見学で満足せず実務に落とし込んでいきたいと思います。
重要伝統建造物郡保存地区の焼津花沢地区。
雨上がりの晴天がとても気持ちが良かったです。
自然に囲まれた静かな街並み。
石垣と板壁、蔵や長屋門・・・街並みを進むと寺院(法華寺)も見られます。
雨上がりということもありとても穏やかな景色でした。
古民家や古い社寺建築の梁などに見られるボコボコとした表情。
ちょうなと呼ばれる鍬(くわ)のような形で木の表面を削る大工道具の跡になります。
光の当たり方によりとても良い表情になります。
今某設計事務所様より桧の太鼓梁の加工を頼まれましたのでちょうな跡を表現しました。
ちょうなの跡が木目に与える影響がとてもいいです。
・・・機械使ってます。
今回は工期や予算の都合により本当のちょうなの跡ではなく機械で表現しました。
(※社寺や文化財の修理で再現する場合はしっかりちょうなを使ってます。)
伝統建築に携わる仲間からは邪道と言われるかもしれませんが、
機械を使ってもちょうなの跡を表現し、一般の方々に伝統建築の知識として少しでも残っていくと言う点では
少なからず意味があることなのかと思います。
木・土壁・竹小舞・・・
自然素材の経年変化。
建築材料(サイディングなど)では表現できない風合い・ビンテージ感。
同じ経年変化でも建築材料(サイディングなど)では汚れという表現が近いように感じます。
年を重ねたおじいさんやおばあさんのシワがあっても温もりある素敵な表情に似ています。
いくらいい建築材料が出来ても真似できない表情です。
人間も建築も豊かに年をとるために、自然素材は大切です。
焼津市花沢地区を見学に
静岡県内唯一の伝統的建造物郡保存地区です。
この道を登っていくと蔵や長屋門など街並みが現れてきます。
この地区の特徴でもある ”みぞっちょ” と呼ばれている排水。
各敷地に面し、少しずつ意匠の違う石垣が詰まれその間を通るように排水が流れています。
近代化が進み、技術や生活習慣、色々と変化はしていくものだと思いますが
地域の特徴はこれからも大事に残していってほしいです。
子供の頃から、虫(セミ)捕りやお祭り、豆まき、
遊具での遊び場だった地元の神社。
同級生や地域の人たちとの会話で”小芝さん”と言えばすぐに伝わる町の神社。
勿論、宮司さんやその家族もこの地で育った人たち。
そんな神社の仕事をさせて頂くことになりました。
大工を始めて、ある程度仕事の事を話しできるようになるまでは
知らなかったが、
先先代の祖父が若いころ主になって手掛けたのが、
この小芝八幡宮の本殿でした。
そんなこんなで、私にとってとても想いの強いこの小芝八幡宮の仕事に関われることは
とても光栄なことです。
気合も入ります。
社寺建築や、住まいに関して、
商品的な感覚で捉える方が増えており、
大手ゼネコンやHM、各職人が全体的に建物や建主さんに対して淡白、
そして建主さんも造り手に淡白になっているな、
と感じることが少なからずある一方、
今回の様なご縁は大切にしていきたいと改めて思いました。
~心地よい木組みの住まい~
木組みと土壁(自然素材) パッシブデザイン
静岡(清水)の工務店 木の家づくり
静岡・社寺建築
創業1907年 4代目・堂宮大工(企画立案・設計監理)
新築、文化財修理・古建築改修・修復・屋根替え・耐震改修・・・
株式会社 大藤建設